できないKJ

言語聴覚士(療育)

小さな配慮と安心

 

子育てに最高!松江市立図書館

私の住む島根県松江市の市立図書館は療育や子育てに使い勝手が良い。何が良いって絵本セットの貸出があることだ。「こそだてえんむすびぶっく」といい、対象が0歳からの【めばえ】セットは1番~10番まであり、対象が5歳からの【みのり】セット10番まで、計50のセットがある。1セット5冊で、例えば…

 

めばえ(0歳~)1番

・いないいないばあ 絵:瀬川康男、文:松谷みよ子童心社

・おおきいちいさい 元永定正福音館書店

・おやすみなさい  絵:大塚いちお 文:大阪YWCA千里子ども図書館(福音館書店

・したく      ヘレン・オクセンバリー(文化出版局

・ママだいすき   絵:ましませつこ 文:まど・みちお

 

などその発達段階に適した本をセレクトしてくれている。このセットをたどっていくだけで年齢相応の多くの本に出会えるのだ☆

 

 

とある日の窓口

息子を連れて「こそだてえんむすびぶっく」を選ぼうと窓口に来た。

 

私「わかば(1・2歳~)セットは何番が残ってますか?」

職員「はい…少々お待ちください」と後方で確認。しばらくしてから戻り、
職員「お待たせしました。2・6・7・10・13番が残っています」

私「!?す、すみません。もう一度お願いできますか?」と手元の【えんむすびぶっくガイド】を広げる

職員「はい。(ゆっくりと)2番、6番、7番、10番、13番があります」

私は必死に目で追いながら、忘れないうちに息子に選ばせる。
私「(早口で)2・6・7・10・13があるんだって、どれにする?」

息子はガイドを見ながら
息子「3番は?」

私「ない」

息子「2番は?」

私「あるよ!(^_^)v」

息子はガイドでラインナップをじっくり見て「やっぱ8番がいいな」

 

 

私「8番ね…(どうだっけ)」そして窓口に申し訳ない思いで
私「8はありましたっけ?」

 

職員「8はありませんね」

 

そして私は感じた

 

 

 

 

息子を連れてきての、この窓口でのやりとり激むずだな!!

 

窓口での難しさ

まず、第一に私のワーキングメモリの容量が不足している。5個の数字を覚えるだけでもうパンク寸前なのである。こちらはこの情報を早く手放したいのだ。

 

第二に、息子の本選びが念入り過ぎる!!あぁ素晴らしき吟味。もう、一度借りてしまおう。どうせいつか借りるんだから(;´Д`)

 

そして第三に、すぐ油断してしまう私の性格に問題がある。今回でいうと、息子に「2番」と言われただけで私の仕事は終わったと安心してしまったのだ。

 

 

別の日の窓口

そんな経験もあったものだがら、息子を連れて行った2回目はかなり気合をいれてメモをとる準備をして窓口へ

 

私「すみません。みのり(5歳~)は何番がありますか」

職員「はい、少々お待ちください」後方で確認。しばらくして戻り、

 

メモ用紙とペンを取り出し、私の目の前で書きながら

 

職員「1・2・4・7・8・9・10があります。」と

 

 

メモ用紙を手渡してくれた( ;∀;)

 

私がそのメモ用紙を片手に息子とゆっくり本を選ぶことができたのは言うまでもない。私にとってはこの小さな配慮が心に染みた。

 

小さな配慮が作り出す安心の時間

私も普段から療育現場で、こどもたちに目の前で書いて見せて指示や教示をしている身である。今回の一件で改めて、発達障害ではなくても、こどもではなくても、このような小さな配慮によって気が楽になるし、その分、より重要なことに心を向けることができるのだと感じた。こどもが急ぐことなく、急かされることなく絵本と向き合えた時間。これをくれたのはメモ用紙をくれた職員さんである。

 

 

ありがとう。