くすぐりの刑の落とし穴
療育の現場でこどもがいけないことをした時、どう伝えていくか。体罰は言うまでもなくNG、言って理解できる程に認知も上がっていないとなると…
咄嗟に思いついたのが【くすぐりの刑】!!これなら、じゃれているように見えて効く児には効くはずだ(^_^)v
(Aくんが玩具を投げた)
私「Aくん、だめ。投げるの✖です。そういうことすると、こうなります」とくすぐり始める。
効果はばつぐんだ。Aくんは笑い転げて苦しそうだ(p_-)
A「(笑い転げていて言葉にならない)」
私「もうやめてね」と手をゆるめる。
はい、一件落ちゃーく。と私が後ろを向いた瞬間にAくんはまた投げ出した。
私「なぬ!?(まだ伝わってなかったようだ)」Aくんに再度近づき、
私「さっき言ったよね?おもちゃを投げたら~」とAくんをくすぐる。
効果はばつぐんだ。Aくんは笑い転げて苦しそうだ(p_-)
A「(笑い転げていて言葉にならない)」
私「もうわかったかな」と手をゆるめる。
A「もう一回ちてー!!」
私「!?」
A「もっかい!!」
私「!!!!!!!!?????????」
そう、私は重大なミスを犯していることに気付いていなかったのだ。【くすぐり】は人によっては報酬なのだということである。
人がどのような遊びを好むかは、発達段階が関係する。
認知機能の発達に従っては次のように進んでいくとされる。
①感覚(運動)遊び:(なめる、握るなどの手段を使って)五感や平衡覚・振動覚、ときに痛覚を感じて楽しむ。
②象徴遊び・ごっこあそび:物を別の何かに見立てたり、自分が何者かになったつもりになって遊ぶ。
③構成遊び:積み木やブロックなどを組み合わせる。
また、コミュニケーション機能の面での発達に従っては次のように進んでいくとされる。
①ひとり遊び:他の子を意識せずに遊ぶ。
②並行遊び:他の子と関わりを持たず、それぞれが自由に同じことをして遊ぶ。
③連合遊び:仲間と物の貸し借りをしたり、会話をしたりしながら遊ぶ。
④共同遊び:役割分担したり、同じルールで遊ぶ。
このようにどのような遊びをしているかを見ると、発達段階が見えてくることが多い。しかし、私のように勘違いしてはいけない!発達段階が進むと前の段階の遊びをしなくなる訳ではない。
【くすぐり】はここでいう感覚(運動)遊びに入る。特に感覚鈍麻や過敏がある児にとっては特定の刺激が心地よく、成長してもその段階の遊びを好むことがよくある。
これでわかっただろう。そうKJはこどもの遊びの好みに注目しなかったために、結果として、おもちゃを投げたAくんに報酬を渡していたのである。
遠山の金さんのつもりが、悪代官だったなんて(;´Д`)汗
覚えてやがれ~(逃)