できないKJ

言語聴覚士(療育)

感情のコントロール

 

感情のアップダウン

自分の感情のコントロールなど、大の大人でも難しいことがある。それでも、我が子との関わりや、療育現場でのこども達とのやりとりの中で、成人とは桁違いの感情の起伏と出会い、オロオロする(;´Д`)

例えば…

 

(Aがパズルに夢中)
A「これは…ここでしょ」とパズルをはめていく
私「Aくんすごいね。もう(はめる)場所を覚えているんだね」
A「これはかんたんだよ」と得意げに笑う。
私「(時計を見ながら)Aくん、次は○○するからパズルはおしまいにしよっか」
A「いやだ~ヽ(`Д´)ノパズルするー」(怒)
私「パズルはまた明日しようねぇ」とパズルを片付け始める
A「パァズルしたかった~( ノД`)」(悲・泣)

 

私のNGの多い関わり方については、ひとまず置いておいてm(__)m…笑。この感情のアップダウンに出会うと、一瞬一瞬を良くも悪くも全力で生きているんだなぁと感じるよ。

接する大人としては疲れるのも当然のこと

 

感情の処理について(脳の話)

少し感情の発達ついて説明すると

 

感情処理の中心は脳の真ん中にちょこんと位置する扁桃体。ここでは広範囲の脳と入出力の関係がある。だから感情は脳内のほぼすべてのシステムに影響し、あらゆる意思決定にも影響を与える。成長に伴って、脳の新皮質が外部からの刺激を解釈するにしたがい、より複雑な感情を味わえるようになっていく

 

 

感情は単純なものから成長するに従って、別れていくものなのなのだ(=゚ω゚)ノドヤ顔

 

これは感情の種類だけの問題ではなくて、例えば程度についても同じことが言える。扁桃体が発する基本的で単純な感情を大脳皮質が【これはちょっとしたこと】【これは重大なこと】といったように解釈することで大きさの調整にもなっている。

つまり、大人がたいしたことないと考えることができるのは経験だけではなく大脳皮質の発達のおかげでもある。ということ

 

 

 

感情の種類について言うと…例えば羞恥心なんかは高度な社会性のうえに成り立つ感情だから、「周りが見てて恥ずかしいから止めよ~ね」とか、幼児はまぁ理解できないことが多いだろうな。

 

程度についていうと…高まってしまった感情を自分で制御するなんていうのも超難易度が高い話で、【これは小さな悲しみ、泣くまでもない】とか分けられる前の、感情が全力で押し寄せてくる発達過程のこどもにできるはずないかぁ(´Д`)ハァ…

 

 

療育現場での工夫

ということでブーメラン!!結局、大人の関わり方を工夫する必要がある。こどもの高まってしまった感情を切り替える手助けをしよう。成長するに従って自分で切り替えることができるようになると信じて☆

 

理解力やコミュニケーション能力の違いによって対応は変わってくるが、療育の現場では

 

交渉できる程の理解力・コミュニケーション能力がない段階のこども、あるいは、こどもがどの段階であっても急激な感情の高まりには

・場所を変えてクールダウン

・違う対象に意識を向ける

を基本としながら、(人を傷つける様な)ダメな事はダメと簡単な言葉やジェスチャーで伝えていく(そりゃ何度も何度も)

 

時間感覚が芽生え、予定について会話ができる段階のこどもには

・感情の起伏が起こりそうな展開を先に予定として伝える(先ほどの例では10分経ったら○○するよ、など)

ことができるようになる。勝敗についても同じで「B君が負けることもあるよ。その時は相手にすごいねと言ってあげたらかっこいいよぉ」といった話を聞かせておくのも良い。

 

文字に関心があれば、

・書きながら見せてあげる

これは実際に読める読めないはあまり関係なく、話しながら書いてあげることでクールダウンにもなり、効果的である。

 

※【切り替えが難しい】のは、感情のコントロールの問題とは限りません。別の部分に原因がある場合はまた対応が異なります( ;∀;)

 

こどもの成長のために

こどもが今まで感情をあらわにしなかった場面で感情を表現するようになったとき、その感情がどういうものなのか聞かせてあげる(そうかぁ、勝ちたかったのに負けてくやしいんだね、など)一手間が大切。得体のしれないものから、理解できる心の動きに変える手助けだね。これは、こどもの感情が広がっている証拠。関わる大人としては問題が増えるかもしれないけど、こどもの心が発達していると思えば、少し喜べそうだね(#^^#)